” ピンポーン ”
我が家のインターホンが鳴った。 ある日曜日の朝のことだった。
僕の家にセールスの方が来た。 玄関のドアを開けると若い女の子だった。
”今日、札幌から(僕の家から約200キロ離れています)来てるんです。 もし良ければ、00新聞をとって下さい”
ということだった。
こういった場合、どちらかといえば、僕は ”いいですよ” と言ってしまうタイプだ。
なぜなら、相手が 女性 だからだ。 ここに、ヤマシイ気持ち!?はない。
いや、やはり、あるかもしれない・・・
そんなことは、さておき、こういった光景を目の当たりにすると、
女性なのに(もちろん、男性でもそうなのだが) 飛び込みのセールス って大変だよな、って思ってしまう。
僕も 一応!? 、 営業をしているからだ。
そんなことを考えていると、彼女が、おもむろに お米の袋(1袋 2キロ)を 我が家の玄関に置き始めた・・・
1個 、2個 、3個と・・・
”本当に、今日しかないんです。 新聞取って頂ければ、嬉しいです。 お願いします・・・”
ここからは、ローカルなネタになるのだが、
僕が住む 北海道 の 帯広(十勝地方)では、 十勝毎日新聞 という新聞が 圧倒的なシェアを誇っている。
僕も、この新聞が好きなので、 ”あえて新聞を替える必要はないなぁ” 、とか、
でも、 ”新聞を取ってあげないと 女の子は大変だもんな” 、などと考えていると、
その子が、お米のみならず、トイレットペーパー や ゴミ袋 などの 景品 で攻めてくる・・・
あまりにも 攻めて来るので、逆に!?ちょっと引いてしまい、
”十勝毎日新聞 好きなんで、変更できません。 ごめんね ” と 言ってしまった・・・
そしたら、玄関にあった お米 や 景品 を全部持って彼女は行ってしまった・・・
やっぱり!?、 全部持って行っちゃうんだなぁ、とポカーーーーンとなりましたが・・・
おそらく、彼女には ”今日中に☆☆件 成約して来い” みたいなノルマがあったかもしれないし、
もしかしたら、彼女が自分で決めた ノルマ があったのかもしれない・・・
改めて、大変な仕事だなぁ、と思いながら、何のための仕事なのか??とも考えてしまう。
自分がいて、相手がいる。 周りの方がいるから、自分が存在しているんだ。
周りの方達にしていることは、すべて自分に返ってくる。
良いこともそうでないことも、全部 そうなんだと思う。
農家さんとして、考えると・・・
自分がいて、牛達がいる。 牛達がいるから、お金を稼ぐことができ、 生活できているんだ。
牛達にしていることは、すべて自分に返ってくる。
高く売れたときも、そうでない時も、 結局 今までやったことの結果なんだ。
かなり、強引!?だったかもしれないが、
牛達への 環境整備 、飼養管理 など、まだまだ 改善できること があるのではないかと思います。
昨今、肉牛業界に限らず どの業界も厳しい時代になっています。
現状の厳しさを 枝肉単価 や 飼料などのコスト高騰 のせいにせず、
今こそ、牛達のために(お金はかけなくても良いので)、できることをやってあげましょう。
寄ってきた牛達にナデナデしてあげるとか、
”今日も、きちんと喰ってるね。エライ!!” とか、声かけ一つでも良いと思います。
必ず、牛達は返してくれますので・・・
結局、すべて、小さなことの積み重ねですから・・・
新聞勧誘の女の子が、札幌で楽しく過ごしていますように・・・ 新聞、取らなくてごめんね・・・