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発酵牛床(コンポストバーン、バイオベッド)その19
発酵牛床(コンポストバーン、バイオベッド)その19
植田秋良の日記
2024/12/07
今回から
発酵牛床のポイントや
注意点などについて
お話する予定でしたが、
予定を変更し
もう少し維持管理のお話をいたします。
(3)維持管理に使う敷料
敷料は
発酵牛床にとって
欠かすことができないものです。
それは
発酵牛床の肝(きも)の部分、
水分(通気)を
調整する(下げる)働きを担っているからです。
維持管理に使う敷料は
オガクズやカンナクズ、
バークなどの木質系と、
麦ワラや稲ワラ、
牧草(雑草)などのストロー(茎)系
などがあり、
その他には
モミガラや
戻し堆肥などもあります。
敷料ごとに
性質(特徴)があり、
粒子の細かさ(粗さ)、
形状(長さ、太さ)、
吸水力などが異なります。
したがって、
発酵牛床に投入した場合も
水分や通気、
フカフカ具合など
発酵牛床の状態が
異なってきます。
どんな敷料を使うかは
〇維持管理がしやすい
〇手に入りやすい
〇コストが安い
などを判断材料とし、
決めていくことになります。
では
発酵牛床の現場で
使用されている敷料の種類と
その特徴を紹介いたします。
(私が知っている限りですが)
(ア)木質系
オガクズ、カンナクズ、ダスト、バークなどです。
オガクズ(カンナクズ)は
発酵牛床の現場で
最も多く(好んで)使用されている敷料のひとつです。
理由は
粒子が細かく、
最も吸水力が強い上、
発酵牛床の維持管理もしやすいからです。
ただし、
コスト高と安定入手が懸念材料です。
地域差があるものの、
年々、価格が上がるだけでなく、
(4,000円/㎥以上)
安定した入手も難しくなってきました。
ある地域では
オガクズの安定した入手が
難しいとの理由で
発酵床牛舎の新築を
断念した農場さんも
おられるほどです。
続いて
バーク(木の皮)は
オガクズより形状が大きく、
吸収力はやや劣る一方で、
通気の確保が期待できます。
オガクズと併用すれば
吸水性と通気性の両方が
期待でき
相乗効果が見込まれます。
ただし、
バークの棘(とげ)には
注意が必要です。
(泌乳牛の乳房など)
(イ)ストロー(茎)系
麦ワラ、稲ワラ、牧草(雑草)などです。
これらを敷料として
使用している場合は
地域によって
偏りが出ています。
麦わらは
主に十勝や北見など
小麦畑が多い地域、
稲わらは
主に道央など
田んぼが多い地域、
牧草(雑草)は
主に道東や道北など
酪農専業が多い地域で
使用されています。
それぞれ
長いままを乾燥させ
ロール状にしたものですが、
そのまま(長いまま)使う場合と
裁断(15㎝前後)して
使う場合があります。
裁断することで
ふん尿と混ざりやすくなり
発酵牛床の状態が
均一になります。
(量も少なくて済むうえ、維持管理もしやすくなります)
また、
これらストロー系は
すべての敷料の中で
最も(敷料そのものの)分解が
早い(しやすい)です。
(ウ)殻(から)系
モミガラなどです。
モミガラは
稲ワラ同様に
主に道央など
田んぼが多い地域で
使用されています。
粒子が丸くて
大きく硬いため、
吸水力は劣るものの
通気の確保が期待できます。
バーク同様に
オガクズとの併用
をおすすめします。
(エ)戻し堆肥
戻し堆肥に
明確な定義はありませんが、
その考え方やつくり方は
牛ふん堆肥と基本的に同じです。
(発酵牛床その5、その6で説明しています)
・ブログ発酵牛床その5
発酵牛床(コンポストバーン、バイオベッド)その5 - 株式会社ラボジェネター
・ブログ発酵牛床その6
発酵牛床(コンポストバーン、バイオベッド)その6 - 株式会社ラボジェネター
異なる点は
発酵期間が短いことです。
現場では
およそ2か月~6か月前後
の期間がほとんどです。
もちろん現場ごとで
発酵期間含め
つくり方は異なります。
発酵開始時に
オガクズと混合し
発酵させている現場や
(初期発酵温度を上げる、オガクズを発酵させる狙い)
切り返しの頻度を高くしている現場、
エアレーションの活用など
まさに三者三様です。
発酵期間が短いため、
オガクズなど敷料の分解が
より進みませんが、
戻し堆肥(敷料)として
再利用する場合には
逆に好都合になります。
戻し堆肥を敷料として
再利用することで
敷料代の削減のみならず、
発酵牛床の発酵安定や促進にも繋がり
一石二鳥になります。
以上、
維持管理に使う敷料についてでした。
次回こそ、
発酵牛床のポイント
又は注意点などについて
お話いたします。
乞うご期待です!
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