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発酵牛床(コンポストバーン、バイオベッド)その14
発酵牛床(コンポストバーン、バイオベッド)その14
植田秋良の日記
2024/06/29
4.
発酵牛床のつくり方
(2)発酵牛床の構造
発酵牛床のしくみについては、
すでに発酵牛床その7のお話の中で
全体像を紹介しました。
(下図)※一部、修正しています。
ここでは
発酵牛床の構造に
(黄色の線で囲った部分)
スポットを当てて説明いたします。
発酵牛床の構造は
掘り下げ式、かさ上げ式の
いずれのタイプでも
基本的に
❶堆肥を土台(種菌)にする
❷厚みを確保する
という点では
考え方は同じです。
細かく言えば
何をどこまで
どう取り入れるか
現場ごとで異なりますが、
ここでは
掘り下げ式の基本事例を
紹介いたします。
では図を参考に
説明していきます。
(すぐ図を確認できるよう同じ図を何度も載せます)
まず、
発酵牛床として運用する部分は
100㎝前後掘り下げ、
側面をコンクリートで囲います。
(底面は土間です)
コンクリートで囲う理由は
雨水の浸水を防ぐためです。
次に
掘り下げた底面に
火山灰(真砂土)などを30㎝前後入れます。
その理由は
下(地山)からの浸水防止と
発酵牛床の微生物にとって
通気の確保など
を期待するためです。
発酵牛床と地山の間に位置し
緩衝地帯となります。
次に
その火山灰を敷いた所々に
(粉炭を直径100㎝×高さ100㎝円柱
にして埋め、これを1牛床に2~3か所行う)
炭埋(たんまい)をします。
(又は火山灰の上に薄く粉炭を敷きます)
その理由は
発酵床牛舎内の磁場を整え、
微生物や牛、人の活動に
有益な働きをもたらすと考えられるからです。
炭埋については、
発酵牛床の先駆者であり、
酪農家および物理学者でもある
共働学舎新得農場代表の宮嶋望さんが
熟知しておられます。
著書「いのちが教えるメタサイエンス」
(地湧舎)でも
炭埋について述べています。
興味のある方は是非一読してください。
(現在、新書は電子書籍のみ)
次に発酵牛床の肝の部分、
土台となる堆肥を投入します。
厚さは50~80㎝です。
この堆肥は
発酵に欠かせない種菌(スターター)としての役割を担います。
堆肥の熟度は、
できれば完熟状態ではなく、
中熟状態程度が望ましいです。
中熟状態とは
まだ発酵途中で
発酵熱が高く(50~70℃程度)
発酵が旺盛な状態のこと
を指します。
その理由は
発酵牛床の保温効果だけでなく、
牛が排泄するふん尿の発酵・分解が
より促進されるからです。
バーベキュー時に
起こす炭(火)に例えるならば、
起きている状態を中熟堆肥、
起き終わった状態を完熟堆肥、
ということになります。
どちらの方が火力が強いかは
(発酵しやすいか)
火を見るよりも明らかです。
最後に
表層に敷料(日頃使うもの)を薄く敷きます。
敷料は
発酵牛床の水分(及び通気)を調整します。
牛が入り、
発酵牛床にふん尿を排泄すると
主に表層から30㎝前後の間で
発酵が活発に行われていると
考えられています。
水分の動きも同様に
主に表層から30㎝前後の間で
行き来していると考えられ、
(もちろん発酵牛床の水分、構造、発酵状態や運用方法の違いにより一律ではありません)
発酵が活発に行われているところまで到達した後
発酵によって水分が使われ、
やがて水蒸気となって上昇し
気化していくと考えています。
以上、
発酵牛床の構造のお話でした。
次回は、
発酵牛床のつくり方について
お話いたします。
乞うご期待です!
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