営業マンの放浪日記

発酵牛床(コンポストバーン、バイオベッド)その11

植田秋良の日記2024/02/05

期待される効果の続きです。

(2)省力化

発酵牛床の運用により、発酵が促進され、床が長持ちします。

 

床が長持ちすることで、
牛床管理にかかる労力が削減され、
省力化に繋がります。

しかし、
全ての現場で一律にそうなるわけではありません。

それは、
ある条件や経営形態、
発酵牛床の構造等が影響しています。

では、
ある条件とは一体何でしょうか?

それは、
ふん便を良好な状態に保つことです。

良好なふん便の条件として、
以下のようなことが挙げられます。

❶締まりが良いこと

❷未消化が少ないこと

❸臭気が少ないこと

❹微生物叢が良い(善玉菌が優勢)こと


などです。

ただ、
経営形態(酪農or肉牛)や
牛のステージ(母牛or育成or肥育)などによって、
ふん便の良好な状態は異なります。

例えば、
酪農現場の泌乳牛(しかも高泌乳群)と
肉牛現場の繁殖牛を比較します。

元々、泌乳牛は、
ふん便の水分が高いうえ、
尿を含めた排泄量も多いです。
(高泌乳ほど)

一方、
繁殖牛は泌乳牛に比べ、
ふん便の水分が低いうえ、
尿を含めた排泄量も少ないです。

それは、
それぞれの栄養要求量が違うため、
飼料内容や乾物摂取量なども異なるからです。

酪農現場の泌乳牛の場合、
ふん便が良好な状態としても、
やはり高水分には変わりません。

そのため、
発酵牛床の状態を保つには、
基本的に毎日、
敷料を投入し、
水分を調整する必要があります。

しかも、
搾乳時に乳房をきれいに保つため、
発酵牛床の水分をより低くするケースが多く、
より多くの敷料を必要とします。

したがって、
酪農現場で特に泌乳牛の場合、
発酵牛床の運用により、
床の長持ち及び省力化を感じにくくなるのです。

 

一方、
肉牛現場の繁殖牛の場合、
粗飼料主体で飼養されることもあり、
ふん便の水分は元々低めです。

良好な状態になると、
さらに締まりが良くなるうえ、
発酵しやすくなります。

この場合、
敷料の投入をしなくても、
発酵牛床の状態を保つことが可能になります。

(もちろん季節にもよります。育成牛でも可能です)

したがって、
酪農現場に比べ、
肉牛現場の方が、
床の長持ち及び省力化をより感じることができるのです。

現場によっては、
半年以上(3月頃から11月頃)、
床を長持ちさせ、
大幅な省力化に繋がっているところもあります。

その間は、一切手を加えません。

発酵牛床は、
少し硬く(比重が重く)なりますが、
牛は気持ちよく横臥し、
毛づやも良い状態を保っています。

また、
発酵牛床の構造については、
かさ上げ式より、
掘り下げ式の方が、
顕著に効果が現れています。

 

宣伝になりますが、
アースジェネターの給与も、
床の長持ちに一役買うことがあります。

それは、
ふん便の状態が良くなるからです。

(ただし、一律にそうなるわけではなく、
もちろん栄養面や衛生面、
環境面といった条件を整えることが
重要なのは言うまでもありません)

これは、
アースジェネターに限ったことではなく、
良質な発酵飼料であれば、
十分に起こり得る現象です。

特に発酵牛床を運用する場合は、
こういった資材がより有効ではないかと思いまして、
ご紹介いたしました。



以上、
期待される効果(2)省力化についてでした。


次回も期待される効果の続きです。


乞うご期待です!