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発酵牛床(コンポストバーン、バイオベッド)その10
発酵牛床(コンポストバーン、バイオベッド)その10
植田秋良の日記
2024/01/30
3.期待される効果
発酵牛床を上手に運用することができれば、
(1)牛のストレス軽減、
(2)省力化、
(3)コスト削減、
(4)堆肥の品質向上、
など、
様々な効果が期待できます。
ただし、一律に効果が期待できるわけではありません。
それは、
経営形態(酪農or肉牛)や
牛のステージ(泌乳牛or育成牛)、
発酵牛床の構造(掘り下げ式orかさ上げ式)、
維持管理方法(頻度、敷料投入量、撹拌の有無)など、
農場ごとで異なるからです。
また、
発酵牛床を運用する前の牛床管理方法(牛舎)によっても、
効果の現れ方が異なります。
(つなぎ牛舎やフリーストール牛舎から新築の発酵床牛舎に変更する場合と、
既存のフリーストール牛舎やフリーバーン牛舎を牛床のみ発酵牛床に変更する場合があります。)
それでは、期待できる(考えられる)効果について、一つずつ説明していきます。
(1)牛のストレス軽減
牛のストレス軽減は、
発酵牛床の運用により、
最も効果が期待されることの一つです。
それは、
発酵牛床の特長(厚みや暖かさ、臭気の薄さ等)によって、
牛の寝心地が良くなるうえ、
寝起きや歩行がしやすくなるからです。
その結果、
横臥や反芻時間の増加、
蹄及び脚への負担が軽減され、
飼料効率の向上や免疫力の向上にも繋がります。
そして、最終的には、
❶生乳生産や発育など生産性の向上、
❷蹄病や乳房炎、下痢、肺炎など疾病の減少(軽症化)、
❸発情の明瞭化や受胎率向上など繁殖成績の向上、
❹平均産次数の増加(酪農)、
などといったことにも繋がってくるのです。
以上のような効果は、
様々な経営形態や牛のステージにて期待できますが、
最も期待できるのは、
酪農現場の泌乳牛舎です。
さらに
発酵牛床の構造については、
掘り下げ式とかさ上げ式の2タイプありますが、
掘り下げ式の方がより効果を期待できます。
(掘り下げ式とかさ上げ式についての詳細は後述いたします)
これまで
酪農現場の泌乳牛舎にて、
繋ぎ牛舎(及びフリーストール牛舎)から
新築の掘り下げ式発酵床牛舎に変更後、
ほぼ全てのケースで前述した効果が顕著に現れています。
牛のストレスの軽減により、
本来、牛が持っている能力を
最大限に引き出された結果だと思われます。
その中で最も印象の残った事例を紹介いたします。
新築の発酵床牛舎(掘り下げ式)に変更して
9か月ほど経ったある農場さんが、
こんなことをおっしゃいました。
『牛が劇的に良くなりました。
とても驚いていて、嬉しく思っています。
はやり環境が大事であることがわかりました。
さらに、人(自分や家族)も劇的に変わりました。
気持ちが楽になり、(離農も考えていましたが)
先の見通しがつきました。』
その時、私は強い衝撃を受け、
心の底から嬉しく思いました。
そして、
その出来事があってから、
私はさらに発酵牛床に取り組むようになったのは
言うまでもありません!
以上、
期待される効果(1)牛のストレス軽減についてでした。
次回も、
期待される効果の続きです。
乞うご期待です!
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