営業マンの放浪日記

発酵牛床(コンポストバーン、バイオベッド)その8

植田秋良の日記2023/12/23

(4) 牛ふん堆肥と発酵牛床の違い

牛ふん堆肥の発酵と
発酵牛床の発酵は、
「ふん尿を発酵させる」という点において、
根本的に同じことです。

ですが、
大きく違う点は、
牛が居るかどうか、
牛のベッド(牛床)になるかどうかです。

牛ふん堆肥の発酵の場合、
前述したように水分や積み方、切り返しなどが
ポイントとなります。

上手く発酵が促進すれば、
体積や量が減り、色や香りが変わってきます。

当然、牛が居ないため、
自由なつくり方で発酵させることができます。

 

一方、発酵牛床の発酵の場合、
基本は牛ふん堆肥のポイントと同じですが、
牛が居て、かつ牛床になることにより、
異なった状態になります。

 

その一つ目は、
発酵牛床(牛ふん堆肥)の比重です。

比重とは、
牛ふん堆肥の体積に対する重さを指します。

発酵牛床の比重は
牛ふん堆肥のそれと比べ、重くなります。

それは、
毎日、牛がふん尿を排泄し、
横臥することにより、
転圧が掛かったようになり、
硬くなっていくからです。

その結果、
通気が悪くなってしまい、
牛ふん堆肥の発酵時と比べ、
発酵温度は低く推移します。

(※牛舎内の気温などによるが、
10℃前後~40℃前後:30㎝深部)

農場さんによっては、
対策として、
ロータリーなどで攪拌しているところもあります。


二つ目は、
発酵牛床(牛ふん堆肥)の水分です。

牛ふん堆肥の発酵時と比べ、
発酵牛床の場合、
毎日、牛がふん尿を排泄するため、
水分が(高く)変化していきます。

そのため、
必要に応じ、敷料の投入などを行います。

ただ、水分状態は、
牛舎内の温度や湿度、
牛の違い(泌乳牛、育成牛、肉牛など)、
飼養密度、日当たり、風通し(換気)、
発酵牛床の構造(かさ上げor掘り下げ)、
発酵牛床の厚さなどによって、
変化が一定ではありません。

毎日、敷料を投入しているところもあれば、
春から秋の間、何もしていないところもあります。

状態を見極め、対処することが求められます。


おさらいしますと、
牛ふん堆肥の発酵では、
発酵初期の水分や積み方、
それに切り返しや発酵期間を要すれば良い一方で、

発酵牛床の発酵では、
牛がそこに居て、横臥することで、
必要に応じ、水分や通気を整えることが
求められるということです。
(もちろん牛の健康や横臥状態を見ながら・・・)


以上、
牛ふん堆肥と発酵牛床の違いのお話でした。


次回は、
発酵牛床の状態についてお話いたします。


乞うご期待です!