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乳肉複合経営をされているR農場さんにお伺いしました。 (搾乳牛40頭、和牛繁殖牛40頭) 搾乳牛は繋ぎ牛舎で飼養。 エサはTMR(30㎏設定)と乾草(チモシー)を給与し、 (いずれもTMRセンターより) 加えて個体の乳量に応じ配合飼料をトップドレスで追加。 乳量の平均は37~38㎏/日/頭です。 乳房炎は常時少なく、現在は1頭もいないとのことです。 繁殖はほとんどが自然発情ではなく、 ホルモン処置などプログラムを組んで管理し、 大きな問題なし。 搾乳牛舎内(泌乳牛、乾乳、分娩)には 和牛の哺育牛(ハッチ)もいるため、 その子たちに合わせ保温と換気を調整。 程よい暖かさを感じ、搾乳牛の毛づやや乳房、 ボディコンディションの良さから、 良好な状態を感じ取れることができました。 一方、和牛繁殖牛はビニールハウス牛舎で飼養。 スタンチョンを活用しているため、 分娩前の増し飼いなども個別で管理が可能。 牧草はリードカナリー(TMRセンターより)を給与。 こちらは制限給餌しています。 床出しはなるべく頻度を抑え省力化を図っています。 (夏場数か月1度、冬場1か月に1度程度) 授精は人工授精及び搾乳牛に受精卵(購入又は自家採卵)を移植。 これまで優良血統牛を自家保留し増頭してきました。 哺育はホル、和牛とも生後すぐに親から離し人工哺育。 哺育期間はホル約60日、和牛90日で、 いずれもハッチで飼養。 スターターと代用乳はそれぞれ違うものを給与しています。 和牛は基本的に素牛で販売(一部肥育することもあり)。 市場でも高く評価されています。 とりとめない説明でしたが、 以上のようにR農場さんは酪農と和牛繁殖をバランス良く管理し、 上手に経営されています。 Rさんは乳肉複合経営の印象として、 「酪農は哺育育成より母牛(搾乳牛)に手間と神経を使うが、 和牛繁殖は母牛(繁殖牛)より哺育育成に手間と神経を使う」 との考えを持っておられるようでした。 乳肉複合経営は手間や考えることが多い一方、 必要なエサがかぶらないことや (例:牧草は搾乳牛にチモシー、和牛繫殖牛にリードカナリー) 和牛受精卵移植の活用および和牛素牛販売による収入、肉免など、 多くのメリットがあります。 また、将来的に肉体的な事情などから酪農経営が困難になった場合、 よりスムーズに和牛繁殖経営に転換できる優位点もあります。 あらためて乳肉複合について考えさせられたひと時でした。