先日、北海道のA牧場さん(酪農)にお伺いしました。
A牧場さんは新規就農して2年目。
春から秋にかけては集約放牧を中心に、
冬期間は繋ぎ牛舎にて乳牛を管理されておられます。
さて、A牧場さんでは、
特に力を入れていることがいくつかありますが、
そのひとつが「良い堆肥をつくること」です。
理由は
「全ての土台となる土づくりを行う上で最も重要なこと」
と考えておられるからです。
A牧場さんでは将来、
6次化(チーズ)を念頭に置いておられます。
そこで、
美味しいチーズをつくるためには良い生乳から、
良い生乳は健康な牛から、
健康な牛は良い草から、
良い草は良い土から、
良い土は良い堆肥から、
との考えに至ったということです。
地に足のついた素晴らしい考えですね!
昨年からA牧場さんでは良い堆肥をつくるため、
色々なことに取り組んでおられます。
アースジェネターを給与し始めたのもその一つですが、
他にも嫌気性菌(リサイクルメイト)やリン酸(グアノ)、
炭(自家産)、貝化石、砂糖などを尿溝に散布。
また、敷料(敷料用の牧草)の量も多く、
堆肥の水分や通気状態も良好になり、
発酵の立ち上がりも良い感じです。
切返すごとに発酵が進み、
上記の添加剤の効果もあり、
早くも良い香りすら漂っています。
数か月後には畑に散布できるくらいの状態になり、
その後畑の隅に移動した後はさらに腐熟が進むとのことです。
良い堆肥とは
多種多様な微生物によって有機物が分解され、
水分の蒸発(発酵熱など微生物活動で使用される?)、
臭気の減少(土のような香り)、
有害微生物や有害物質の抑制(アンモニア、硫化水素など)、
有用微生物の増加(又は多種多様な微生物の共生)、
等の現象が起きた状態のことを指すのではないかと
思っています。
(正直、科学的な詳しいことはわかりませんが・・・)
そして、それらを圃場に還元し続けることによって、
(もちろん圃場ごとの地質によって一概には言えませんし、
堆肥散布以外にも有効なものは沢山あるかと思います。)
土壌の物理性(団粒構造によりフカフカな状態になり、
水はけなどが良くなる)や
生物性(微生物叢が豊かになるなど)が少しずつ良くなり、
牧草の植生改善(生育状況や密度、糖度等)や発酵状況(サイレージ)、
嗜好性の向上などに繋がっていくと思っています。
もちろんすぐに結果が出ることではありませんが、
数年先には少しずつ効果が表れてくるのではないでしょうか。
A牧場さんの今後のご活躍を心から祈っています!!
乞うご期待です!