皆さま、こんにちは!!
先月、 独立行政法人 家畜改良センター様から
「黒毛和牛の肥育期間の違いによる肉質について」
という調査研究の内容が発表されておりました。
肥育農場においての飼料代節約や、長く飼うことによる
起立困難などのリスク軽減になるかと思いますので
何かの参考になればと思い書きます。
※この営業マンの放浪日記で書かせて頂く事を
独立行政法人 家畜改良センターさまのご担当者様から許可を得ています。
まずは、概要をお伝えします。
一般的な29カ月齢程度の肥育期間の牛肉と比べて、肥育期間が短いと
「きめ・しまり等の肉質が劣る」といわれ、市場における評価は低くなる
傾向にある。
このため、肥育期間を26カ月齢に短縮した場合の牛肉との比較試験を
実施したもの。
調査の結果、肥育期間を短縮(29か月齢→26カ月齢)しても枝肉重量に
有意な差はなく、肉質面でも枝肉格付けは「A4」で「きめ・しまり」に差はなく、
食味においても変わりがない結果を得ることができた。
さらに、近年、畜産分野でも地球温暖化対策をはじめとした持続的な畜産物生産
に向けた取り組みの重要性が高まる中、肥育期間の短縮(29カ月齢→26カ月齢)
により牛から発生する温室効果ガス(メタンガス、一酸化二窒素)排出量だけで1割
以上削減する結果が得られた。
一部抜粋して、枝肉格付けの内容をみていきたいと思います。
上記にもある通り、どちらも平均は「A4」となりました。
同一農場、同じ飼料で試験されました。
飼料は普通に販売されている商品になります。
血統や枝肉単価はもしかすると今後論文のような形でさらに詳しく発表
するかもしれないとの事でした。
また肥育は集計されたデータになります。
26カ月齢の頭数は14頭。
29か月齢は10頭。
枝肉重量 26カ月齢 509.8キロ
29カ月齢 515.7キロ 差 5.9キロ
BMS 26カ月齢 6.1
29カ月齢 7.3
きめ・しまり 26カ月齢 4.4
29カ月齢 4.5
ロース芯面積 26カ月齢 59.4㎠
29カ月齢 62.2㎠
バラ 26カ月齢 8.3㎝
29カ月齢 8.3㎝
皮下脂肪 26カ月齢 2.7㎝
29カ月齢 2.6㎝
歩留基準値 26カ月齢 73.8
29カ月齢 74.2
格付けの結果は上記の結果となったそうです。
短期肥育において懸念される、きめとしまりに関しては上記のとおり
差はなくどちらも良い結果だったと思います。
枝肉重量は平均5.3キロの差があり、BMSにおいてはおおよそ1ぐらいの
違いがあります。
続きを次回書きたいと思います。
記事の全文は下記のアドレスになります。
www.nlbc.go.jp/research/kanri/tankihiiku_nikushitu.pdf