皆さま、こんにちは!!
今回から牛白血病について書きたいと思います。
僕は、生産農家さんからは、牛白血病の検査をしたいのですが、どう思いますか?と
聞かれる事があり
また肥育農家さんからは、エサ食いが悪い牛がいて、確定はできないけど
牛白血病じゃないかと思う・・・ とお話を聞きます。
そこで僕は獣医さんではありませんが、牛白血病について少しでも何かの
お役に立てたらと思い書かせて頂きます。
牛白血病の状況ですが、僕が調べたところ以下のようになりました。
少し古いデータになりますが、平成21~23年に農林水産省が実施された全国
調査で抗体陽性率は6カ月以上の乳用種で40.9%、肉用繁殖牛で28.7%
となっています。
BLV清浄国としては、オーストリア、オランダ、スイス、スロバキア、ドイツ、フランス
ベルギー、モナコ、リヒテンシュタイン、ルクセンブルク、オーストラリア、
ニュージーランドの国々になるそうです。
次に東京都中央卸売市場食肉市場(芝浦)で、牛白血病により全部廃棄になった
頭数を書きます。
と畜検査頭数及び搬入枝肉検査頭数
平成24年度 牛 94,325頭(内乳用種等 731頭) 牛白血病 31頭
平成25年度 牛 97,031頭(内乳用種等 653頭) 牛白血病 34頭
平成26年度 牛 98,997頭(内乳用種等 250頭) 牛白血病 42頭
平成27年度 牛 93,275頭(内乳用種等 90頭) 牛白血病 90頭
平成28年度 牛 88,309頭(内乳用種等 619頭) 牛白血病 58頭
平成29年度 牛 88,462頭(内乳用種等 400頭) 牛白血病 68頭
※東京都芝浦食肉衛生検査所様の食肉衛生検査業務概要、平成25~30年度版より
感染牛の1~5%が発症すると言われていますが、
この頭数でおさまっていると思って良いのか、少し複雑な気持ちです。
さて少し話が変わりますが、先月少し書かせて頂いた宮崎中央子牛セリ
に出荷される地域では、BL対策に積極的に取り組まれています。
※宮崎中央地区だけではありません。
農家さんの任意で、セリ前のメス子牛を血液検査。
その為、年に1度母牛も全頭検査されている農家さんもいらっしゃいます。
セリ前のメス子牛がもし陽性だった場合、BL蔓延防止の為セリに上場することなく
JA肥育センターで評価購買されるそうです。
母牛の検査で陽性が出てしまった場合についても、農家さんはJAの肥育センターに
預託肥育することもできるそうです。
また宮崎中央に限った事ではなく、宮崎県内で購買され肥育された牛が
全廃棄になってしまった場合についても、購入された素牛代金を全額、肥育農家さん
に戻されるそうです。(もちろんお金が戻れば良いという事ではないと思いますが)
次回は、具体的な予防と対策について僕なりに書きたいと思います。