先月、釧路地方にて第7回発酵床友の会を開催いたしました。
参加者は発酵床に取り組む農場の方や関係者など20名ほどで
道内だけでなく青森からもお越し頂き、大盛況でした。
今回は、タイプの違う2つの農場(①酪農A牧場、②酪農B牧場)の発酵床を
見学して頂きました。
A牧場(搾乳牛180頭)は、床がフカフカ、しっとりタイプで
搾乳牛が床の30cmぐらいの深さまで踏み込み、
一見、清潔そうには見えませんが、
牛の足や乳房、牛体がほとんど汚れておらず、
通年、乳房炎や体細胞が低いとのことでした。
B牧場(搾乳牛400頭)は、床が硬く、乾燥しており、
搾乳牛の足はほとんど床に入っていかず、
清潔そうで正にドライ&クリーンな床でした。
しかし、特に夏~秋にかけて乳房炎や体細胞が多いとのことでした。
ちなみに両農場の発酵床の微生物叢を1年かけて季節ごとに調査したところ、
A農場は、床の表層、深部(30cm)ともに微生物叢が多種多様で
通年安定していましたが、
B農場は、床の表層、深部ともに微生物叢が偏り気味で
特に夏場、その傾向が強かったようです。
もちろん牛の健康を左右するのは床だけでなく、
エサ、乳量、搾乳方法など多岐に渡りますので
一概には言えないところです。
ただ、今回の調査結果から、推測できることは、
発酵床を安定させる為には適度な水分と通気性、床の厚さ、
牛による撹拌?が必要で
多種多様な微生物が棲むことができる環境をつくることが
重要であると言ったことです。
悪玉菌が侵入してきてもそう簡単に悪さをできない状態です。
ぬか漬けをつけるヌカ床や人の腸内環境、
土の中の状態と似ているのではないかと思っています。
また今後も現場にとってより良い方法を追求して
お役に立てればと思っております。
参加者の皆様、ありがとうございました!!
そして、このブログをご覧になって頂いている皆様、
今年も私のブログにお付き合いくださり、
誠にありがとうございました!!